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    紙芝居「ありなしやまいまむかし」


     このおはなしは、赤穂市教育委員会の本「赤穂の昔話」に書かれたお話を、紙芝居にしたものです。みんなも、興味があったら学校や図書館で見てみてね。
     今日のお話は、今からだいたい1600年も前の、赤穂市有年原にある蟻無山古墳というお墓についてのお話です。
     うにゅちゃんとアリさんが登場して、お話しますので、楽しみに聞いてくださいね。
     では、「ありなしやま いまむかし」はじまりはじまり~。


    うにゅちゃんは、山登りと古墳散策が趣味です。
    ある晴れた日、うにゅちゃんは有年原にある小さな山に登っていました。

    うにゅ:
    「うんしょ、うんしょ。」
    「なんか、石がころころしてるなぁ。
     山なのに、川で見つかるような石があるぞ。
     うんしょ、うんしょ。」
    うにゅちゃんは、とうとう山頂にたどり着きました。


    うにゅ:
    「お~!10分くらいしか登っていないのに、とても景色がいいな。
     ぐる~りと周りが見渡せるぞ。それにしてもやっぱり川の石がころころしてる。
     あと、頂上がとても平らなんだよなぁ。不思議だなぁ。」

    そこへ、1匹のアリがやってきました。


    アリ:
    「じつは、ここは古墳なんだよ。古墳というのは、
     むか~しむかしの、偉~い偉い人が亡くなったとき、
     一人のために作った大きなお墓なんだ。」
    うにゅ:
    「へぇ~!じゃあこの石は、古墳のために、昔の人が
     川から山に一つ一つ運び上げたものなんだね、
     今も残ってるなんて、すごいなぁ~!」
    アリ:
    「そうなんだ。この石は、古墳の斜面に貼ってあって、
     雨が降ったりしても土が流れないようになってるんだ。すごいだろ?
     ついでに、いい話を教えてあげようか。」

    アリさんは、お話をしはじめました。


    アリ:
    「このお話はね、僕のお父さんのお父さん、さらに
     お父さんのお父さん、も~っともっとお父さんだったアリ、
     言ってみれば、僕のご先祖さまのお話なんだ。
     だいたい1600年前なんだけど、イメージがわくかな?
     わかないかもしれないけど、実は昔の人が子供を産んで
     くれたから、今の僕たちがいるんだよ。
     話がそれたから、続けるね」


    アリ:
    「1600年前は、とても偉い人と、そうでない人の差が
     とてもあった時代なんだ。
     ふつうの人は、亡くなっても穴に葬られるだけだったんだけど、
     偉い人が亡くなると、みんなの力をあつめて、とても大~きな墓を作ったんだ。
     これが「古墳」というんだよ。
     今の総理大臣さんは、亡くなっても大きな墓はつくらないだろ?
     このときはお墓を作ることに価値があった時代だから「古墳時代」と
     呼んでるんだよ。
     ここにも偉い人がいて、ちょうど亡くなった時のお話なんだ。
     やっぱり古墳を作ることになったんだよ。」


    アリ:
    「古墳は、大きなお墓をつくるだけじゃなくて、周りにたくさんの
     石を置いたり、「埴輪」っていう、粘土を焼いてつくった土器みたいな
     ものをたくさん並べるのが、昔の風習(ならわし)だったんだ。
     今も、お葬式ではいろんな風習があるよね。それと同じなんだ。
     このときも、たくさんの人が命令されて、山を削って、頂上を平らに
     するために土を持って、石を置いて、埴輪を並べて、、、と一生懸命に
     古墳を作っていたんだ。」


    アリ:
    「その時に出てくるのが僕のご先祖さまなんだけど、ちょうど
     この山にみんなで餌を探しに来てたところだったんだ。
     そして、みんなががんばって古墳を作っているところを横切ってしまった。
     僕たちアリは、人間さんに比べて足が遅いし、踏まれそうになったんだ!
     でも、優しい人が、よけてくれたんだ。おかげで、助かったんだよ。
     この時に、ご先祖様が助かったから、今の僕も今生きてるんだ。
     だからとても感謝してるんだ。」


    アリ:
    「でも、その優しい人は、僕たちをよけてくれたせいでこけてしまったんだ。
     古墳を作るための邪魔になったから、古墳を作る命令をしている人に
     とても怒られて、ムチで叩かれたりと大変な目にあったんだ。
     ご先祖さまは、ご先祖さまたちのせいで、大変な目にあった
     この優しい人に申し訳なく思ったんだって。」


    アリ:
    「だから、僕のご先祖さまは、ほかのアリみんなと話しあって、
     この山には入らないでおこうって決めたんだって。
     家族総出で、違う山に移動したんだ。」あの優しい人は大丈夫かなぁ、
     僕たちのせいでまた怒られませんようにって、ずっと考えていたみたいだよ。」


    アリ:
    「そのおかげもあって、やっと古墳が出来上がった。
     この古墳は、実はとても珍しい形のお墓で、最近の調査によって
     2つの突起のついた、丸いお墓だったことがわかったんだ。
     この古墳は、なぜか突然アリがいなくなったから、人間さんは
     「ありなしやま」と呼んだんだって。
     だから蟻無山古墳として、今も名前がついてるんだよ。


    うにゅ:
    「へぇ~古墳づくりにもいろんなドラマがあるんだね。
     この山みたいに見晴らしがいいところを、やっぱり昔の人も選んだんだね。
     アリさん、ありがとう!
     実はこうした古墳は、全国に数えきれないほどあるんだ。
     一番有名なのは鍵穴の形をした「前方後円墳」だよね。
     この形が、九州から関東地方まで、ずっと同じ形をしたものが
     見つかる時代が、古墳時代なんだ。そう考えたらすごいだろ?
     昔の人の努力は、今に繋がって、1600年前のものが、今も残ってるんだよ。
     おしまい!」




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