【大津清水の地蔵】


  昔、京の都にとても仲の良い兄弟がいた。ところが、兄は悪い仲間に誘われて、行方不明になってしまった。一方、弟は学問に精を出し、都でえらい役人になった。
そのころ、播磨地方では悪い盗賊団(どろぼう)に困って、京の都へ応援を頼んだ。
播磨の国にやって来た弟は、大津で盗賊団の首領(かしら)を捕まえたが、その首領が、自分の兄であった。弟は仕方なく兄の首を切り、この地に埋めて都に帰ったという。大津の村人が哀れな兄弟をしのんでつくったこの地蔵は、「首塚地蔵」と呼ばれている。
首から上の病気を治すと言われ、多くの人がお参りしている。

もどる