坂越・生島の枯死樹木調査を実施!!

坂越の生島は、周囲1.63km、面積8.1haの坂越湾に浮かぶ小島です。古来より大避神社の禁足地とされていたために原始の状態が良く残り、スダジイ、アラカシといった照葉樹林を中心に約190種の自生樹種が確認されています。蔓性植物が多いことも特徴として挙げられます。
このため、大正13(1924)年には国の天然記念物として指定され、昭和32(1957)年には環境省の国立公園特別保護区(瀬戸内海国立公園のうち1.6%)にも指定されています。

しかし、平成22年5月頃、生島の常緑樹に本来は見られないはずの紅葉が確認され、7月には落葉が見られました。近年は「ナラ枯れ」と呼ばれる、カシノナガキクイムシの大量発生を原因とする菌害が西日本の日本海側を中心に確認されており、その被害の可能性が考えられましたので、赤穂市教育委員会では、10年来、生島樹林の調査研究に携わっておられる服部 保先生(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所教授兼・兵庫県立大学大学院 環境人間学研究科教授・人と自然の博物館 自然・環境再生研究部長に調査を依頼し、平成22年8月11日に調査を実施しました。


調査は、服部先生を含めた4名の調査員、赤穂市教育委員会職員3名により行われ、生島を踏査しました。


調査の結果、今回の枯死では樹幹の被害が見られず、ナラ枯れでないことが判明し、一部菌害と見られたものの被害が急速に広がっているわけではないため、経過観察を行うこととなりました。


今後、生島の推移を見守っていきたいと考えております。