「糸を摘む−阪口キリヱ 90年を振りかえって−」展を開催!!
みなさんは、赤穂緞通をご存知でしょうか?
佐賀県の鍋島緞通、大阪府の堺緞通と並び、日本三大古緞通の一つに数えられる赤穂緞通は、嘉永年間に「児島なか」によって創始されたと伝えられています。明治、大正時代には活況を呈していましたが、戦後になるとその数は減り、昭和40年代後半になると、一軒の織元を残している状況でした。
赤穂市教育委員会は、赤穂緞通の独特の織り方と、その伝統的な技術習得の困難さから、昭和59年3月31日、赤穂緞通織をされていた阪口キリヱさんを、選定保存技術保持者(工芸技術/赤穂緞通の織方技法)に選定しました。そして平成3年からは、この伝統技術を絶やさぬために阪口さんを講師に迎えて「赤穂緞通織方技法講習会」を開催した結果、多くの後継者が育つとともに「赤穂緞通を伝承する会」が組織され、現在ではそれぞれが活発に活動されています。
さらに平成19年3月30日には、赤穂緞通が「兵庫県伝統的工芸品」に指定されるなど、赤穂の地場産業の一つとなりつつあります。
こうした赤穂緞通の再興・継承に寄与し、後継者育成に力を注がれたのが、阪口キリヱさんです。
阪口さんは、昭和7年から赤穂緞通を始め、49年間、市内の緞通場で働いていました。その間、赤穂緞通織関係者等からなる「赤穂緞通織保存会」に参画し、赤穂緞通織方技法講習会講師を16年間余り勤められました。また、後継者等で構成される「赤穂緞通を伝承する会」の顧問としてもご活躍中です。
阪口さんは、こうした功績のためにさまざまな賞を受賞されています。平成22年11月16日には、兵庫県知事より「ともしびの賞」が授与されました。
このように、赤穂緞通織の再興・継承の礎を築いた阪口さんの功績をたたえるとともに、90歳の誕生日を祝し、赤穂市教育委員会では以下のとおり企画展を開催いたします。みなさまふるってご観覧ください。
- 企画展名
- 「糸を摘む−阪口キリヱ 90年を振りかえって−」
- と き
- 平成23年1月19日(水)〜3月21日(月)
- ところ
- 旧坂越浦会所
- 入館料
- 無 料
- 開館時間
- 10時〜16時開館、毎週火曜日休館(祝日の場合は翌日休館)
- 問合せ先
- TEL 0791-48-7755