兵庫県赤穂市の文化財 -the Charge for Preservation of Caltural Asset ,Ako-
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新指定文化財のご紹介

このたび、平成19年3月30日をもって、2件の市指定文化財が新たに追加されましたので、ご紹介いたします。

六道絵 16幅

 六道絵は赤穂市高野にある誓教寺に所蔵されている、16幅からなる作品で、その制作年代は18世紀後半から19世紀中頃と考えられます。

 六道絵とは、恵心僧都源信の『往生要集』によって広まった、極楽や地獄といった世界の具体的なイメージを表したもので、たとえばみなさんが「地獄」と聞いて思い浮かぶ、鬼たちによる人々への拷問などの様子を実際に絵にしたものです。

 この六道絵は16幅よりなりますが、そのうちの8幅が地獄の世界を描いており、その量と克明な描写は秀逸で、本作品の最大の特徴と言えます。この凄惨な描写により、見る人々へ地獄の恐怖心を強く焼きつけることができ、その結果、この世における善行を説く仏の教えを見事に実現させたことでしょう。

このように、六道絵などを用いて因果応報の考えを説くことを「絵解き」と言います。誓教寺の六道絵は、この絵解きが継続されていることも貴重と評価され、このたび市指定文化財に指定されました。

六道絵

坂越盆踊り

 寛永16(1639)年、伊予国青島に移住した坂越浦の猟師ら16家族が、ふるさと坂越を偲んで始めたという盆踊りが、青島に伝わっています。亡者踊りと称する先祖供養のこの踊りは義士装束で踊るもので、愛媛県民俗文化財に指定されています。

 坂越盆踊りは、この踊りの原型になったと考えられるもので、残念ながら記録は残っていませんが、17世紀にはすでに青島で見られるような踊りが行われていたと考えられます。

坂越盆踊り

 坂越盆踊りは現在、8月上旬の「たこ祭り」と8月23日の西之町地蔵盆で行われているもので、普通の盆踊りに見られるように輪になって踊るものではなく、音頭棚の前で対向して2列になって踊ります。地形的に広い場所のなかった坂越浦では、このように本町の海に面した通りで、仮装をし、2列が互いに交差しつつ踊っていました。

 坂越の踊りには音曲(鳴り物)がつきものでしたが次第に消えてしまい、現在はかろうじて「船檀尻囃子」と「盆踊り」が残されているのみです。市内各所で行われる盆踊りと比較しても、坂越のスタイルと類似するものはなく、その意味でも貴重な芸能といえ、保存すべき価値があるものとして市指定文化財となりました。

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巻頭写真1
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