新指定文化財のご紹介!
このたび、平成26年3月31日をもって、2件の市指定文化財が新たに追加されましたので、ご紹介いたします。
- 仏涅槃図
- 涅槃図とは、釈迦が入滅するときの情景を絵に表したものです。日本では平安時代から製作され、高野山金剛峰寺所蔵品は最古の作例として知られています。
- 涅槃図には、中央に横たわる釈迦の周りに、それを嘆き悲しむ菩薩、天部や弟子、そして動物たちが多数描かれています。
- この涅槃図のように、トンボ、チョウ、カタツムリ、ムカデなどのちいさな生物に加え、トラの雌雄(ヒョウが雌と考えられていた)などが描かれるのは大変珍しい作例です。
- 絹本着彩で丈167.7p、幅172.8pのほぼ正方形のもので、描写の内容などからも、鎌倉時代末〜南北朝期(14世紀前半)と考えられます。
- 当麻曼荼羅図
- 当麻曼荼羅は、奈良県の当麻寺(たいまでら)に伝わる根本曼荼羅の転写本です。中央に阿弥陀如来、左右に普賢菩薩、観音菩薩の三尊を描き、極楽の世界を表現しています。
- 平安時代中期頃から製作され、鎌倉時代に入ると、縮小された転写本が数多く製作されるようになりました。
- 本図は絹本着彩で、丈128.0cm、幅116.3pとなり、ほぼ9分の1本と思われます。
- 描写は繊細で、丁寧に仕上げられていて彩色も非常によく残されています。描写方法などを考慮して、16世紀後半から17世紀前半の絵仏師系の制作と見られます。




