兵庫県赤穂市の文化財 -the Charge for Preservation of Caltural Asset ,Ako-
−赤穂城跡、赤穂の歴史民俗、文化財、観光、名所旧跡、遺跡、発掘調査、考古学などなど−

文化財ニュースNo.22


発行 赤穂市教育委員会
編集 生涯学習課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
平成27年4月21日

 このページでは、平成26年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
 最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。


最新ニュース

有年原クルミ遺跡・有年牟礼井田遺跡発掘調査報告書を刊行しました!
赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』第2号を刊行しました!
平成27年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!
赤穂城二之丸庭園屋形舟遊覧を開催します!

■国史跡赤穂城跡に関する活動

赤穂城跡二之丸庭園の整備、二之丸東仕切り周辺石垣の修理
 国史跡赤穂城跡では、平成26年度の整備事業として、二之丸庭園の土塀・管理門整備及び園路整備のほか、二之丸城壁整備を行いました。
 土塀はこれまでの延長部分の整備であり、管理門もともに整備されました。二之丸庭園の東部の土塀が、これでほぼ完成したことになります。
 園路整備は、傘亭周辺について行われ、庭園下流部の景観がまた名勝らしくなりました。
 二之丸東仕切り周辺石垣の整備については、昨年度の確認調査で見つかった腰石垣周辺の発掘調査を実施した後、この成果を活用して整備したものです。
 現在は、浅野長直築城時の景観に復することができました。その調査成果は現地説明会資料に詳しいのでご参考ください。


■有年に関する活動

東有年・沖田遺跡公園5号住居屋根葺替え工事を実施しました
 赤穂市東有年にある、「東有年・沖田遺跡」は、縄文時代後期(約3,000年前)から、人々がこの地に住んでいたことを示す、市内で最も大きな古代集落遺跡です。
特に弥生時代中期から後期、古墳時代後期の集落跡として有名で、現在では、その一部が「東有年・沖田遺跡公園」として竪穴住居が復元されていることは、皆さんご存知かと思います。
 しかし、東有年・沖田遺跡公園は開園して18年目を迎えており、竪穴住居の茅葺き屋根の損傷が目立ってきました。また、台風による洪水被害にあったこともあり、柱の根腐れがすべての竪穴住居に見られ、危険なため、一部の竪穴住居は公開できていない状態にありました。
 そこでこのたび、平成26年12月から平成27年3月にかけて、「5号住居」と呼んでいる復元住居の屋根葺替えを実施しました。
 現在は、葺き替えたばかりの明るい色調をしておりますが、1年もすれば景観になじむようになります。できたばかりの新しい5号住居を見ることができる貴重な機会ですので、みなさまぜひご観覧ください。
○赤穂市立有年考古館で各種展示・イベントを開催
○赤穂市立有年考古館の展示解説板をリニューアルしました
 有年考古館の常設展示の解説板は、のりパネに貼りつけたもので、劣化が激しくなっていました。このたび、解説板を十分な強度をもつ板面とし、内容もより皆さまにわかりやすいよう、イラストを多用したものとしました。
 皆さま、ぜひご観覧ください。

■坂越に関する活動

○坂越の魅力再発見講座を開催
○映像記録DVD「坂越の船祭」を発売
○旧坂越浦会所にて坂越の船祭特大写真展を開催
○旧坂越浦会所にて生島樹林展を開催

■埋蔵文化財に関する活動

平成26年度埋蔵文化財調査の概要
 平成26年度の埋蔵文化財調査においても、様々な成果を得ることができました。ここでは、その一部をご紹介いたします。

有年牟礼・井田遺跡

 有年土地区画整理事業に伴って、継続的に発掘調査を実施している有年牟礼・井田遺跡ですが、平成26年度にも発掘調査を実施しました。
 今回は市道の建設される部分、およそ1,100uについて調査を実施し、調査では弥生時代から古墳時代頃までの遺物・遺構が見つかりました。
 弥生時代(約2,000年前)の遺構としては、溝や河川の跡が多く見つかり、弥生土器が出土しています。調査地周辺は集落の周囲に広がる沼地や湿地のような環境にあったようで、そこに不要な土器が捨てられていたようです。
 古墳時代(約1,800〜1,500年前)には沼地や湿地が水田として開発されたようで、水田の跡が検出されています。また、周囲からは、マツリを行った可能性のある場所が見つかりました。マツリが行われたと思われる場所には、土器や鉄製の農具が置かれており、水田に関係するマツリではないかと考えています。
 また、古墳時代中ごろ(約1,600年前)の土器が大量に捨てられた溝も見つかっています。ここまで大量の土器が捨てられているのはとても珍しく、これも集落の人々が大規模なマツリを行った後、不要になった土器を大量に捨てた痕跡と思われます。
 今回の調査で、有年牟礼・井田遺跡の集落の周囲がどのような環境であったのか、また、集落のまわりでどのようなマツリが行われたかなど、当時の人々の生活を知る手がかりが多く得られました。

赤穂城下町跡

 民間開発に伴い、赤穂城下町跡の調査も実施しています。その中でも、成果の多かった調査の概要をご紹介します。
 調査地はおよそ350年前から侍屋敷が存在した場所で、赤穂藩主が浅野家であった時代(約350〜300年前)には、武士であった「中村清右衛門」という人物の屋敷であったことが絵図から分かっています。「中村清右衛門」は赤穂藩の中〜上級武士で、討ち入りに参加する意志を示していたものの、最終的には脱盟した人物として記録されています。
 発掘調査ではこの「中村清右衛門」が住んでいた時代のものと思われる庭園の池泉跡が見つかりました。池泉はその周囲に玉砂利を丁寧に敷き詰めたもので、このような構造の池泉跡は赤穂城下町跡では初めて検出されました。この池泉は浅野家の断絶とほぼ同時に管理されなくなったようで、ゴミの焼却場として利用された後、完全に埋め立てられていました。
 赤穂城下町跡において、侍屋敷の庭園跡が見つかったのはこれが2例目で、当時の中〜上級武士の暮らしぶりや屋敷の構造を知る上で、非常に貴重な成果が得られました。

有年原・有年牟礼地区分布調査

 有年原・有年牟礼地区には蟻無山古墳群や塚山古墳群をはじめ、多くの古墳や遺跡が点在しています。しかし、具体的な場所や数、範囲などはこれまで調査されたことがなく、詳細は不明でした。そこで、赤穂市教育委員会では、平成25年度より有年地区の分布調査を開始し、古墳や遺跡がどれくらい存在するのかを確認しました。
 調査の結果、これまで確認されていなかった古墳も含め、約60基の古墳を確認しました。有年牟礼地区北側の山林の奥まで古墳が点在しており、これまで知られていたよりも多くの古墳や遺跡が存在することが判明しました。また、大正時代の雨乞いの石碑なども発見することができました。石造物の確認も行っています。
 今後、これらの古墳や遺跡の保護、調査研究などを行う上で、貴重な基礎資料が得られました。

 平成26年度も各種調査によってたくさんの成果が得られ、赤穂の歴史が確実に明らかになってきました。
 以上の調査成果の一部は赤穂市立有年考古館の企画展「発掘調査速報展2015」(会期未定)にて展示する予定ですので、お楽しみに!


■その他

○文化財説明板を改修しました
 赤穂城跡三之丸の大手門を出たところにある大手前公園には、旧上水道を解説する説明板があります。しかし経年劣化により内容がまったくわからない状態となっておりましたので、このたび板面の改修工事を実施しました。
 今回の改修工事にあたっては、旧上水道の解説だけでなく、赤穂城下町全体の説明をする役割とし、新たに地図を作成しました。
 鍵型街路の存在など、新たな知見も含めて説明しておりますので、皆さまぜひご見学ください。
○アナログ映像記録をデジタル化しました
 赤穂市教育委員会では、昭和50年代に民俗芸能の記録保存事業を実施しており、市内各地の秋祭りのビデオテープ等を保管しております。このたび、そのデジタル化を行いました。


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巻頭写真1
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−連絡先−
赤穂市教育委員会事務局文化財課文化財係
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