兵庫県赤穂市の文化財 -the Charge for Preservation of Caltural Asset ,Ako-
−赤穂城跡、赤穂の歴史民俗、文化財、観光、名所旧跡、遺跡、発掘調査、考古学などなど−

文化財ニュースNo.21


発行 赤穂市教育委員会
編集 生涯学習課文化財係(赤穂市加里屋81番地 0791-43-6962)
平成26年4月21日

 このページでは、平成25年度に赤穂市教育委員会が行った事業を総括しています。
 最新ニュースは、トップページからご紹介していますのでご覧ください。
また、これまで記事となった事項は、リンクをつけておりますのでご参照ください。


最新ニュース

文化財ニュース21を追加しました!
新指定文化財を紹介します!
『文化財をたずねて』22を発行しました!
赤穂城二之丸庭園屋形舟遊覧を開催します!
赤穂市立有年考古館報告書『有年考古』を刊行しました!
平成26年度赤穂市文化財係の事業内容を追加しました!

■当サイトに関する活動

本Webサイトをリニューアルしました

■国史跡赤穂城跡に関する活動

○赤穂城跡公式Webサイトを開設
○赤穂城跡厩口門周辺園路改修工事を実施
赤穂城跡二之丸庭園の整備、二之丸・本丸城壁の修理

 国史跡赤穂城跡では、平成25年度の整備事業として、二之丸庭園内の東屋とその周辺整備、園路整備のほか、二之丸城壁整備を行いました。
 東屋は、二之丸庭園上流部と下流部のちょうど間に位置し、池に突き出たかのような護岸のあった箇所に整備されたもので、東屋の中に入ってみると、池の中にいるかのような風景を味わえます。
 今後整備される予定の木橋とあわせて景観は、素晴らしいものとなることでしょう。
 二之丸城壁については、主に加里屋川沿いの石垣整備を実施しました。この事業は平成25年度から開始されたもので、孕みのあった部分が修復されました。加えて、石垣の一部に腰石垣等が発見されたためいったん埋戻し、平成26年度整備工事に改めて調査及び整備を実施することとなりました。

 二之丸腰石垣については、今年度に計画的な調査を実施するとともに、現地説明会も開催する予定です。また、往時の城郭の姿に復元されていく二之丸庭園は、一般公開に向けて鋭意整備を実施してきますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。


整備された東屋


発掘された二之丸城壁


発掘された二之丸腰石垣


発掘された二之丸城壁の裏込め


■有年に関する活動

○赤穂市立有年考古館で各種展示・イベントを開催

■坂越に関する活動

○坂越地区案内看板を設置
○文化財案内看板を改修
○坂越鳥井町曳きとんどを復活実施
○坂越の船祭の映像記録調査を実施

■埋蔵文化財に関する活動

平成25年度埋蔵文化財調査の概要
 平成25年度も、さまざまな発掘調査を実施しましたので、ご紹介いたします。
 有年牟礼・井田遺跡

 有年土地区画整理事業に伴って、継続的に発掘調査を実施している有年牟礼・井田遺跡ですが、平成25年度にも発掘調査を実施しました。
 今回は市道の建設される部分、およそ970uについて調査を実施しました。
 調査では弥生時代から江戸時代までの遺物・遺構が見つかりました。弥生時代のものとしては、弥生時代中期後半(今から約2,000年前)の川の跡が見つかりました。川の岸辺からは大量の弥生土器が散乱した状態で見つかっており、近くで生活していた人たちが、不要になった土器をムラはずれの川辺に捨てていたようです。

当時のムラの大きさや弥生人の生活のようすがわかる、貴重な成果になりました。

 また、赤穂市内の発掘調査では初めてとなる「滑石製紡錘車」と呼ばれる遺物が出土しました。これは古墳時代中期(およそ1,600年前)に使用されていた、まじないの道具です。
 周辺の発掘調査では同じような石材で作られた勾玉も出土しており、有年牟礼・井田遺跡ではこれらのまじないの道具を用いたマツリが行われていたことがわかりました。


 赤穂城下町跡

 平成25年度には、民間開発に伴い、赤穂城下町跡の発掘調査を実施しました。調査面積はおよそ440uという、赤穂城下町では最大規模の調査となり、多くの成果が得られました。

 調査地はおよそ400年前から侍屋敷が存在した場所で、約200年前には「天満宮」、明治時代には「赤穂神社」、昭和時代にはカトリック教会となった場所です。
 発掘調査では江戸時代後期から幕末にかけての「天満宮」の社殿や社務所の痕跡、多くの旧上水道の痕跡を検出し、多くの成果を得ることができました。
 赤穂城下町跡の神社跡の発掘調査は今回が初めての例となり、貴重な成果となりました。

 また、江戸時代後期の神社跡地をさらに掘り下げると、約400〜300年前の侍屋敷の痕跡も検出されました。礎石や掘立柱などの建物の痕跡のほか、貝殻や獣骨などのごみを捨てた穴、穴倉の可能性のある石垣をもった大きな穴など、当時の武士の住まいや生活を復元する上で貴重な成果が得られています。


 有年原地区分布調査

 有年原地区には蟻無山古墳群をはじめ、多くの古墳や遺跡が点在しています。しかし、具体的な場所や数、範囲などはこれまで調査されたことがなく、詳細は不明でした。

 そこで、赤穂市教育委員会では有年原地区の分布調査を実施し、古墳や遺跡がどれくらい存在するのかを確認しました。
 調査の結果、これまで確認されていなかった古墳も含め、約40基の古墳を確認しました。有年原地区北側の山林ほぼ全域に古墳が点在しており、これまで判明していたよりも多くの古墳や遺跡が存在することが判明しました。
 今後、これらの古墳や遺跡の保護、調査研究などを行う上で、貴重な基礎資料が得られました。

 平成25年度も各種調査によってたくさんの成果が得られ、赤穂の歴史が確実に明らかになってきました。
 以上の調査成果は赤穂市立有年考古館の企画展「発掘調査速報展2014」(会期未定)にて展示する予定ですので、お楽しみに!


■その他

○新たに文化財標柱を設置


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巻頭写真1
(クリックすると拡大します。)

−連絡先−
赤穂市教育委員会事務局文化財課文化財係
〒678-0292 兵庫県赤穂市加里屋81番地
TEL:0791-43-6962 FAX:0791-43-6895
赤穂市ホームページ