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赤穂城跡は、寛文元年(1661)に完成した、江戸時代のなかでは比較的新しい城郭です。
こうした比較的新しい城郭の多くは、方形を基調としたやや単純な縄張りを持っています。
しかし、赤穂城に限ってはまったく逆であり、様々な屈曲をもった縄張りが特徴と言えます。
赤穂城の設計者であった近藤三郎左衛門正純は、甲州流軍学の祖小幡正憲の高弟であり、また藩主浅野長直は当時の著名な軍学者、山鹿素行に師事していました。
山鹿素行は、9歳のときに林羅山の門下に入って朱子学を学び、15歳からは小幡景憲らの下で軍学などを学びました。
その後、赤穂藩に召し抱えられ、築城中であった赤穂城の二之丸虎口の縄張りを自ら変更したとの記録が残されています。
近藤三郎左衛門は、こうした甲州流軍学を巧みに用い、他の城郭には見られない特殊な形の縄張りを創りだしたのです。
ここでは、さまざまな赤穂城の縄張りの見どころを解説いたします。